上級
GLP-1薬とファスティング
セマグルチドとチルゼパチドの働き、使用中に筋肉を守ることが大切な理由、そしてファスティングの時間枠を安全に併用する方法

セマグルチドやチルゼパチドなどの薬は、肥満の治療を大きく変えました。今では多くの人が食事のスケジュールと一緒に使っていて、ファスティングをしている人の多くは、この2つをどう組み合わせればいいのか気になっています。このガイドでは、試験でわかっていること、併用ならではのリスク、そして治療の妨げではなく支えとしてファスティングアプリを使う方法を説明します。薬を処方している医師の助言に代わるものではありません。
これらの薬の働き
GLP-1は、食後に腸から出るホルモンです。脳に「もう十分」と伝え、胃から食べ物が出ていく速さをゆるやかにし、すい臓がインスリンを出すのを助けます。セマグルチドはGLP-1のように働き、チルゼパチドはGLP-1ともう1つの腸のホルモンであるGIPの両方のように働きます。その結果、空腹感が減り、食事量が減り、多くの人で大きく体重が減ります。
筋肉の問題
大きな減量には必ず除脂肪量の減少も含まれ、これらの薬は非常に大きな減量をもたらします。SURMOUNT-1の体組成スキャンによる詳しい分析では、チルゼパチドで減った体重の約75%が脂肪、25%が除脂肪量で、プラセボ群と同じ割合でした 4。2026年のレビューでは、研究全体で減った体重の中央値約28%が筋肉に関する指標によるもので、個人差が大きいことがわかりました 5。
併用に注意が必要な理由
ファスティングもGLP-1薬も、主に食べる量を減らす助けになることで効果を出します。組み合わせると、食べる量、特にタンパク質があまりに少なくなりやすくなります。よくある副作用の吐き気が、それに拍車をかけることもあります 1,2。そのため、これらの薬を使っているときは、ファスティングの時間枠の目的が変わります。ファスティングを長くすることではなく、タンパク質の多い食事で1日に規則正しいリズムをつくることが目的になります。
やめるとどうなるか
チルゼパチドでも同じでした。一部の人が36週後にプラセボに切り替えた試験では、その人たちは翌年に体重の14%を取り戻し、続けた人はさらに減り続けました 8。薬が失敗しているという意味ではありません。肥満が長く付き合う病気のようにふるまうということです。あなたと医師が薬をやめるか減らすと決めたときこそ、規則正しい食事時間、毎食のタンパク質、筋トレなど、アプリで身につけた習慣がいちばん大切になります。
出典
- Wilding JPH, Batterham RL, Calanna S, et al. Once-Weekly Semaglutide in Adults with Overweight or Obesity. N Engl J Med. 2021;384(11):989-1002. doi.org/10.1056/NEJMoa2032183
- Jastreboff AM, Aronne LJ, Ahmad NN, et al. Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity. N Engl J Med. 2022;387(3):205-216. doi.org/10.1056/NEJMoa2206038
- Lincoff AM, Brown-Frandsen K, Colhoun HM, et al. Semaglutide and Cardiovascular Outcomes in Obesity without Diabetes. N Engl J Med. 2023;389(24):2221-2232. doi.org/10.1056/NEJMoa2307563
- Look M, Dunn JP, Kushner RF, et al. Body composition changes during weight reduction with tirzepatide in the SURMOUNT-1 study of adults with obesity or overweight. Diabetes Obes Metab. 2025;27(5):2720-2729. doi.org/10.1111/dom.16275
- Batsis JA, Gavras A, Gross DC, et al. Effect of Incretin-Based and Nonpharmacologic Weight Loss on Body Composition: A Systematic Review. Ann Intern Med. 2026;179(7):996-1013. doi.org/10.7326/ANNALS-25-00478
- Mechanick JI, Butsch WS, Christensen SM, et al. Strategies for minimizing muscle loss during use of incretin-mimetic drugs for treatment of obesity. Obes Rev. 2025;26(1):e13841. doi.org/10.1111/obr.13841
- Wilding JPH, Batterham RL, Davies M, et al. Weight regain and cardiometabolic effects after withdrawal of semaglutide: The STEP 1 trial extension. Diabetes Obes Metab. 2022;24(8):1553-1564. doi.org/10.1111/dom.14725
- Aronne LJ, Sattar N, Horn DB, et al. Continued Treatment With Tirzepatide for Maintenance of Weight Reduction in Adults With Obesity: The SURMOUNT-4 Randomized Clinical Trial. JAMA. 2024;331(1):38-48. doi.org/10.1001/jama.2023.24945
健康について
Fasting Trackerは一般的な健康管理のためのアプリで、医療機器ではありません。ファスティングは誰にでも適しているわけではありません。妊娠中の方、糖尿病の方、摂食障害の経験がある方、薬を服用中の方は、まず医師にご相談ください。長時間の断食の前にも、医師にご相談ください。


